イサム・ノグチがなぜ香川にアトリエを構えたのか、その理由が分かる旅だった。
香川県は、中でも庵治石(あじいし)という高級な石材が多く産出されることで有名な土地らしい。
道中、岩肌剥き出しの採石場を沢山見た。その麓には多くの石材屋さんがあった。いかに石に恵まれた土地であるか、肌で感じた。
イサム・ノグチのアトリエに踏み入れると、円形の立派な石垣が庵治石で作られていた。
イサム・ノグチが自身の庭に作った丘に設置されていた巨石は、万成石という岡山県産の石だった。
庭の、万成石のある丘から、採石場が沢山見えた。この風景を見ながら、作品と対峙して、制作して。本当に贅沢な時間を過ごしていたんだなあ。感慨深かった。
そういえば、もうひとつ石のことで印象深かったこと。
直島のベネッセハウスで見たリチャードロングの石を円形に並べた作品。
作品の素材には、stone(六方石)と書かれていた。
六方石は、出土する時に六角形で出てくる自然石らしい。
リチャードロングはその自然石を加工せず、そのまま並べているらしかった。うーん、綺麗なリズム。それにしても石って不思議〜。
町の生活の中にも、石が溢れていたな。
なんだかそれはすごく自然で、でも観光客の私からしたら、とても特徴的で、良かった。
地元の特色や土地柄というものは、普段生活しているとなかなか分からないけど、こうやって違う土地に足を運ぶと見えてくる。面白い。